b型肝炎は性行為や血液を介してうつる病気です

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b型肝炎は急性肝炎の一種で、b型肝炎ウイルス(HBV)の感染により発症します。b型肝炎ウイルスは、体の中に侵入すると急性肝炎を発症し、劇症化しやすい肝炎です。また、慢性化すると肝硬変や肝臓がんに発展します。

2008年の統計によると患者数は約7万人で、慢性肝炎の患者数は約5万人、肝硬変と肝がんの患者数は約2万人に及んでいます。

非常に感染力が強いウイルスで、性行為感染症の1つで血液を介して感染します。

親子や友人関係だけでなく、輸血などでも感染するb型肝炎

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主に性行為により感染するb型肝炎ですが、血液を介しても感染するので、妊婦が既にb型肝炎ウイルスに感染していると、そのウイルスが母体から胎児に感染し、子ともがキャリアとなることが知られています。これを、母子感染または垂直感染といいます。

また、大病や大怪我をしたりして輸血が必要な場合に、その輸血用の血液がb型肝炎ウイルスに汚染された血液だと、輸血を受けた患者さんがb型肝炎ウイルスに感染してキャリアになります。これを水平感染といいます。また、血液を介して感染するので、母親や輸血だけでなく、家族や友人から血液が接触するあらゆる経路からの感染の可能性がある疾患です。

b型肝炎の概念と疫学について

b型肝炎は肝炎ウイルスの感染による急性肝炎で、感染すると急激に幹細胞の障害を起こします。

2002年には940例がウイルス性肝炎として報告されています。その内、a型肝炎は約45%で、b型肝炎は約25%、またc型肝炎は10%となっていました。

近年は輸血用の血液の検査が厳重に行われ、b型を含む肝炎ウイルスによる感染は激減していますが、検査をくぐり抜けた肝炎ウイルスによる感染の危険もゼロではありません。

b型肝炎を含むウイルス性肝炎の種類と特徴について(a型肝炎とb型肝炎とc型肝炎)

ウイルス性肝炎はb型肝炎だけでなく、a型肝炎やc型肝炎と、d型肝炎やe型肝炎があります。a型肝炎の原因ウイルスはHAVといい、遺伝子構造はRNA(リボ核酸)です。感染経路は経口感染で、潜伏期間は約30日です。

好発年齢は50歳以下で、特に高齢者に劇症性があります。慢性化は特にありません。b型肝炎の原因ウイルスはHBVといい、遺伝子構造は肝炎ウイルスの中で唯一のDNA(デオキシリボ核酸)です。感染経路は血液や性行為などで、潜伏期間は約1ヶ月から3ヶ月です。

好発年齢は比較的若い20代から30代で、好発時期は特にありません。劇症性があり、慢性化しやすい肝炎で、母子感染もあります。c型肝炎の原因ウイルスはHCVといい、遺伝子構造はRNAです。感染経路は血液感染で、潜伏期間は約30日から50日です。

好発年齢はすべての年代で、好発時期は特になく、また劇症性も稀にあり慢性化もあります。母子感染も稀にあります。遺伝子構造のDNA型ウイルスとRNA型ウイルスの違いは、RNA型は排除可能ですがDNA型は排除不可能で、抗ウイルス薬が無いことを示しています。

その他のウイルス性肝炎の種類と特徴について(d型肝炎とe型肝炎)

d型肝炎の原因ウイルスはHDVといい、遺伝子構造はRNAです。感染経路は血液感染で、潜伏期間は約1ヶ月から3ヶ月です。好発年齢はb型肝炎と同じく20代から30代で、b型肝炎ウイルスのキャリアに感染して発症します。

好発年齢は特になく、劇症性があり慢性化し、母子感染もあります。e型肝炎の原因ウイルスはHEVといい、遺伝子構造はRNAです。感染経路はa型肝炎と同様に経口感染で、潜伏期間は他の肝炎に比べて比較的短く、約2週間から6週間で発症します。

好発年齢はc型肝炎と同様に全ての年代で感染する可能性があります。好発時期はなく劇症性はありますが、慢性化も母子感染もありません。このような特徴がありますが、特異的な予防法として、a型肝炎はHAワクチン(免疫グロブリン)の摂取があり、b型肝炎はHBワクチン(HBs免疫グロブリン)の摂取で、c型肝炎とe型肝炎はなく、d型肝炎はHBワクチンの摂取が有効です。

血液に触れる機会の恐れのある医療関係者などは、これらのワクチンの摂取が推奨されています。

b型肝炎の成因や病態生理と症状などについて

急性肝炎はb型肝炎ウイルスなどの感染にもよりますが、肝炎ウイルス以外のヘルペスウイルスやアデノウイルスなどでも起こることがあります。肝細胞がウイルスによりどのように障害を起こすのかについては詳しくは分かっていませんが、免疫的機序などが推定されています。

障害の起きた肝細胞の量によって、様々な症状を引き起こします。劇症肝炎がその例です。症状は無症状のものから、意識障害を起こす劇症性のものまであります。発熱や特にb型肝炎では関節痛を伴い、食欲不振や倦怠感などが感じられます。

ひどい症状になると、褐色の尿が出たり、他人からも観察できる眼球や皮膚の黄疸なども認められるようになります。症状の時期としては、感染して潜伏期間の後に、前駆期として発熱や関節痛や悪心と嘔吐などが起こり、発黄期として黄疸や全身倦怠や食欲不振が見られます。

それ以降に回復期に進みます。

→b型肝炎がうつる確率について

b型肝炎の診断ついて

b型肝炎の診断方法には、血液検査による肝炎ウイルスマーカーの評価があります。HBs抗原が認められると、b型肝炎ウイルスの感染状態で、HBs抗体が認められるとHBV(b型肝炎ウイルス)が過去に感染したことを示しています。

抗体はウイルスが感染した後に作られる免疫グロブリンです。HBc抗体が高値だとHBVが持続的に感染していることを示し、低値だとHBVが急性感染しているか、または過去に感染していたかを示しています。HBe抗原は、血液中のHBVの量が多くて感染性が強いことを示しています。

またHBe抗体は、血液中のHBVの量が少なくて感染性が弱いことを示しています。更に、DNAポリメラーゼやHBV DNAの値は、血液中のHBVのウイルス量を示しています。このように肝炎ウイルスマーカーである程度のウイルスの量や感染状態と、いつ感染したのかがおよそ推測できます。

しかし、どのように感染したはわかりません。それを特定するには、基本的な診察方法である問診が欠かせません。a型肝炎の場合は経口感染で、潜伏期間は約30日です。生鮮魚介類の摂取の有無を患者さんに聞きます。同じく、b型肝炎では非経口感染で血液や母子感染で、潜伏期間は約1ヶ月から3ヶ月で、鍼灸の鍼や血液などの接触の有無を聞きます。

また、c型肝炎の患者との性行為の有無も確認します。c型肝炎はb型肝炎と同様に、非経口感染で血液を介して感染するので、潜伏期間は約30日から50日で、血液の接触や鍼などを刺していないかを確認します。更に検査所見では、血液検査でよく知られる血清AST(GOT)やALT(GPT)とLDHが上昇を示します。

ALTは肝臓の障害時に特異的に変化する検査値で、肝炎の際にはこの値が高くなります。その他にも、様々な検査指標がありますが、ここでは省略します。

→b型肝炎の検査の中でも重要なウイルス量の検査とは

b型肝炎の治療方法ついて

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予防方法については、ウイルス感染の経路を断つ事が一番で、肝炎ウイルスを持つ患者との性行為や血液の接触を避ける事です。

また、特異的な予防方法として、b型肝炎にはHBワクチン(HBs免疫グロブリン)の摂取が有効です。更に、発症して症状の改善が認められるまでは、十分な安静や、高蛋白・高カロリー食で肝臓を保護する食事療法等を行います。