b型肝炎の検査の中でも重要なウイルス量の検査とは

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b型肝炎かどうかを確認するために様々な検査が行われていますが、どのような順序で検査をしていくのが一般的なのでしょうか。b型肝炎だと判明して治療をしていくときにも定期的に検査をして経過観察をしていきます。

その際に用いられる指標としてウイルス量がよく用いられています。どのような検査を行っているのでしょうか。

b型肝炎を疑ったときに行う抗原検査

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b型肝炎かもしれないと疑われたときには抗原検査によって診断を行います。b型肝炎を疑うきっかけは様々で、黄疸が出るなどの症状によって肝臓の調子がおかしいことがわかったり、別の検査を受けて肝炎が疑われたりしたからだということもあるでしょう。

b型肝炎のキャリアになっている人との接触があって、もしかしたら感染したかもしれないと懸念して検査を受ける場合もあるかもしれません。日常の接触では簡単にはb型肝炎ウイルスには感染しませんが、血液に触れるような機会があると感染リスクがあったと判断せざるを得ないでしょう。

その際に行われる抗原検査はHBs抗原検査と呼ばれます。血液中からb型肝炎ウイルスの抗原の一つとして知られるHBs抗体を検出することで感染しているかどうかを判断するものです。比較的簡単な検査で、地域によっては一度までは無料で行ってもらえる場合もあります。

一度だけというのは垂直感染によってb型肝炎ウイルスのキャリアになっている人に自分がキャリアだと認識してもらうのが主な目的だからです。ウイルス量が少ないうちでも抗原検査は感度が高いので見つけられることが多いのが特徴です。

キャリアになってしまったのではないかと考えられたら受けてみた方が良いでしょう。

肝臓の状態の悪化は一般的な血液検査から

b型肝炎かどうかにかかわらず、肝臓の状態が悪化していて肝細胞が著しい勢いで死んでいるようなときには一般的な血液検査でわかります。GOTとGPTという指標が用いられるのが一般的でしたが、これらはAST、ALTとも呼ばれるようになっています。

どちらも同じもので、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼと呼ばれていた酵素がアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼと呼ばれるようになり、GOTがASTに変わりました。そして、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼと呼ばれていたGPTがアラニントランスフェラーゼに変わってALTとなっています。

どちらの酵素も肝臓にたくさん含まれていて、他の臓器の細胞にはあまり含まれていません。肝炎などの問題が起こっていることで肝細胞が死んでいくと血液中のALTやASTの値が上がります。その値の大きさによって肝炎の状況が推察されるのが一般的です。

人間ドックなどで調べてみて肝臓の値が大きいと言われるのは大抵はこの二つの指標が高いことを意味しています。脂肪肝などの場合もありますが、急性肝炎や慢性肝炎、さらには肝硬変や肝がんのときにはとても高い値になります。

この値が高いことによってウイルス性肝炎ではないかと疑われることになり、検査をしてみたらb型肝炎だったというケースもあるので数値は気にかけておくのが大切です。

b型肝炎で重要なウイルス量の検査とは

b型肝炎の診断が下されたときによく行われる検査にHBV-DNAがあります。

これは血液中に存在するb型肝炎ウイルス量を測定するための検査です。単純に考えればb型肝炎ウイルスがたくさんいるほど肝炎の状態が思わしくないことは明らかでしょう。

治療を行って効果があったかどうかを判断するためにウイルス量の変化を追っていくのが一般的になっています。治療薬を使用することで速やかにウイルス量が減る人もいれば、なかなか効果が上がらなくていつまでもウイルス量が多いままになってしまう人もいるのが実情です。

後者の場合にも同じ治療薬を使い続けるのかどうかを判断しなければならないときがやってきます。良い治療方法を模索するために重要な指標となっているのです。

→b型肝炎は性行為や血液を介してうつる病気です

HBV-DNAとは

ウイルス量を測るときによく用いられる方法が、ウイルスの持っているDNAを定量的に測定する方法です。b型肝炎ウイルスのDNAがどのような塩基配列になっているかは既に解明されているため、簡単にb型肝炎ウイルスのDNAだけを増幅して定量することができます。

血液1mL中にどれだけのウイルスがいるかによってウイルス量の評価が行われます。一般的には9.0から7.0までが高ウイルス量、7.0から4.0までが中ウイルス量、4.0から検出される範囲までが低ウイルス量とされています。

この数字は1mL中に含まれるウイルス量を対数で表したもので、4.0であれば10の4乗の1万個のウイルスが存在していることを示しています。

b型肝炎では他にどんな検査が行われるか

b型肝炎に関わる検査は抗体や抗原を使ったものがたくさんあります。何がどのような意味を持っているのかを整理しておくといざというときに役に立つでしょう。HBs抗原ではなく、HBs抗体の検査もよく行われます。

これはウイルスが持っているHBs抗原を検出するのではありません。それに対してできたHBs抗体が血液中に存在しているかどうかを確認する検査です。これが陽性の場合にはb型肝炎ウイルスに対して感染した経験があり、抗体が作られていることを意味しています。

既に治療に成功している場合や、b型肝炎ウイルスのワクチンを接種した場合にも陽性になる指標です。同様に抗体検査として用いられているのがHBc抗体ですが、HBs抗体検査に比べるとあまり頻繁には行われていません。

また、最近になってb型肝炎ウイルスへの感染があったことを示す指標としてはHBc-IgM抗体検査が用いられます。この他にもHBe抗原とHBe抗体がb型肝炎ウイルスの増殖力の高さを調べる指標として利用されています。

HBe抗原が陽性ならウイルスの増殖力が高く、逆にHBe抗体が陽性のときには増殖力が弱いと解釈可能です。また、肝細胞の中にいるb型肝炎ウイルスを定量する方法もあります。HBcr抗原はその目的で用いられる指標で、どれだけ肝臓がb型肝炎ウイルスによって侵されているかが判断可能です。

このように様々なウイルスマーカーがあるので、検査を受けるときにはどんな目的で何を調べているのかを確認して納得して受けるようにしましょう。

→b型肝炎の特徴やウイルスマーカーによる検査方法